それでも春を待っている【歌詞】

夜明け前

嬉しい日に変えてゆく 君が起きるまえに
「あたし朝を待ちこがれて 淡い淡い夢を見るわ」

二日で書いた物語は 呪と朝のお話で
琥珀 瑪瑙 ラピスラズリ 欲しい きれい ちりばめてさ

日々は恋のよう アラベスク 素数 四千年前の律を
手のひらで掴まえた! 「みせて」「いいよ」
ほら お前に 似てる

君を寝かした物語は 深い闇に下りる話
懐柔する眼 マントルを抜け いま核に触れてみるよ

「あたし恋したの」いつもそれを謡ってゆける
四季をひとまわり 「みてな これが陰と陽の術さ」

嬉しい日に変えてゆこう 君はまだ目覚めない
もうすぐ青が白んでゆく
朝が… 朝が… ほら 太陽が

Eye of Ra

誰の声 希望の歌 すべて吸い尽くした
新しい 恋の夢 すべて吸い込まれた

光が眼を潰し 遠くとおくした
揺れる日々僕をみて すぐに無視をした

Eye of Ra

手を取ろうとした 君が消えた
太陽が眼を奪い 月が吐き出した

何もない夜 朝は曝けだした
壊れたものを 太陽が見下ろした

Eye of Ra

アラベスク 恋の詩! アラベスク 君のこと!
アラベスク 君の夢! アラベスク それを見た!

Nanzen

開く眼のその先に映る 墜ちる側に君がいて 触れる
あの娘がなんて呼ばれてるか知っているの?
アラスカのまだその先で命を落とす子 って

あと何千 経てば ここが?

拉げるマウンテン そこを目指してたのに
恋する魔人がまた嘘をついた あの娘まるで
またみたことない 顔をした

あと何千 ゆけば ここへ?

1. 手に触れて残ったものを
2. 黙る眼が君を変えてしまった
3. その手で掘り続けていくこと
4. 笑ってくれたこと

あと何千 行けば 君を

オスカー

始まらない恋をした 最悪で震えていた
君の声を発明した だって聴いたこともないからさ

知らない町まで行き 君じゃないかな?って
125人見つけても 安心できないよ

君が歩いてきて いつもと変わりなくて
同じものに触れたとき 恋が始まるってのはどう?

ある日突然揺り起こされた! 絶望でぶるぶるぶる
だから僕は恋を発明した だって君が生き返るから

今も君はどこかにいて 何も起きてなくて
揺れてなくて壊れてなくて 笑ってるってのはどう?

ひどい朝がきて すべてがさらわれた
テレビを見続けたとき ある日思いついたんだ

君が歩いていて いつもと変わりなくて
僕が君を見つけたとき 恋が始まるっていうのはどう?

始まらない恋をした 始まらないって知っていた
君の笑顔を発明したら 安心して眠れるかな?

SF

歩くのがだんだん遅なってきて そのうち歩きやめてしまう
「もうちょっとがんばって」言うても あぁ、とか、うぅ、とか
声にならん言葉を漏らすだけで その場から動こうともせえへん

炎天下の道路の真ん中で ゆっくり ゆっくりと あんたはゆっくりとしゃがみ込んでいって
「もうちょっとがんばって 立ってぇな」言うても「もうええ もうええ」
そうゆうてへたり込んでしまう

「先いっとって、あとから行くさかい、先いっとって」
少しうつむいたまま手をぴっぴっと あっち行け言うようにでも振って
あたしは迷って「なんか持ってきたるからな、ちょっと待っときや」言うて
先を歩きだしたけど 何のあてもない

少し行って不安なって 様子みよう思て振り返ったら
炎天下の中 太陽のせいで影がぜんぶ奪われた道路の真ん中で
しゃがみ込んでるあんたが 黒いシミみたいに見える

すべてがキラキラと降り注ぐ 太陽のせいで真っ白になっている道路の真ん中で
あんただけがこの世界で唯一の 黒いシミみたいに見える

太陽を見上げる

どこにいったらいいか 急ぐ
大きな音がして 振り返ると ここにないはずの 目の前に…

アラベスク

走る 手をとって くれる? ちょう 嬉しい
みせたい またあった 欲しい あげる もう一個! いいよ いくつでも

投げると 拗ねる もういい! 言うなよ おいで いく ほら勝った 負け?

袖から 発射! なにかが 飛んだ! ひゅぅぅ 成功? 失敗 やり直し
りんね もういっかい 『アラベスク』 え? …なんでもない

さっきの何? 秘密 おまじない? 秘密 えー? 進むこと 鈍重に?
目に見えなくても 浮くことができる ほんとに? ほんとに 魔法みたい
必殺術 陰と陽の術 なんて名前? アラベスク

見える? 見えへん 震えが ちょっとだけ 凍る 心臓が
足で 立たれへん 遠くが燃えてる映像 何かがあらわれた
見たことのある 見たことのない顔が

前からヤンキー! 逃げる? そりゃね! すげー顔してた
ボンタン狩り 何それ? 知らんか? 少し前の話 そんなんばっかり そうか?
ちょっと反省? んー? してみた

これからいろいろあるよ 説教くさい んんん ほんとに そんときのためのわざ?
そうかもなぁ 必殺術 陰と陽の術 アラベスク

えー 雨 最悪 どうする んー 走れ! わぉ

言祝

音楽が終わって 何もできずにいた
ひどい音がしたねえ と ええ、ひどい音がしたわ

それでも春は無関心で 美しい実を稔らせた
誰の気も知らずに 緑は濃く萌始めた

それでも春を待っていた君の前を
嬉しそうに飛び出した春の虫が 手のひらを かすめていく

泣きつかれた目で言う 春をにらみながら言う
それでも と、それでも と 声を詰まらせて言う

言祝く この善き日を 今日を迎えたことを
あの娘に祝福を 君に幸あれ




それでも春を待っている