ちこ

前の記事を書いて1時間か経ったくらいに亡くなった、仕事に行く前で最後のお別れできてよかった、身体をくるんでたタオルのままベットに寝かせた、綺麗な顔で死んでるようには見えない、視界がぼやけると呼吸してるように見えてたじろいだ、ちょっと見守って出社した、仕事中は月末の業務に忙殺されて何も感じなかった、何も感じなかったわけではない、何も考えないようにしてた、考えたけど、仕事の大半が客先ではなく上席を納得させる根拠作りでなんだか馬鹿馬鹿しくなる、仕事中内臓の痛む場所を検索したら膵臓っぽい、勝手に肝臓だと思ってたけど肝臓は痛みを感じる神経がないらしく肝臓がアウトの場合本当に終わりっぽい、16時過ぎに上席が会議で席を立った隙に逃げるように会社を出た、大阪城公園を横切りながら一人になるといろんな思い出が溢れる、ベランダから出て2軒隣の家のベランダまで行って帰ってこれずにうずくまってたこともあった、ふてこいようでビビるとおしっこを漏らす子だった、311の地震の時ともう一匹のねこがスーパーのビニール袋に絡まって走り回って暴れてた時の2回だけだった気もするけど、死んだら部屋の照明を取り替えようと思ってた、随分前から調子が悪く明かりをつけても本読むこともできないくらいの照度だった、大阪城公園突っ切ったその足でエディオンに向かい照明器具を買った、家に帰るのが正直怖かった、愛おしい存在が蝋で塗り固めたように硬直して作り物のように感じたらとそう思うと怖くなった、帰宅して手を洗いうがいをしてベッドにいるその姿を見たら家出る前と同じ寝てるだけにしか見えなくて堰切った様に嗚咽して泣いた、色々話しかけて謝ってありがとうを言った、何もやる気にならなかったけど一方的な約束事のように照明器具だけ取り替えた、部屋が明るいよちこ

 

 

 

 

亡くなる前の最後の写真