ニセ天国

朝から2時間くらい散歩をした、日曜のオフィス街を歩いたので人気がなく元日のような気分になった、冬の曇り空の日が好きだ、薄汚れた白が空全面を覆ってると嬉しくなる、なんとなく建物の輪郭とかがはっきりするので目に入るものすべてに楽しめる、どうしようもないことばかり考えながら歩いた、目に映るものとそこから連想する考えが混ざって浮かんだり消えたり連想からの連想をして新たに目に入ったものが思考を断截して、まだ開いてない飲食店の前を通るたび昼何食べようかと考えて、家出る前に見た著名人の訃報のことぼんやり思い出したりした、どうやって死ぬのかとちょこちょこ考える、突発性のことがなければ内臓悪くして死ぬ気がする、ふと死後について考える、概念としての天国とか地獄、死んで天国に行けると思うのはおこがましい気がするけど地獄はいやだなと思う、できればニセ天国がいい、胡散くさい天国、歩くたび書割が先回りする感じの、そんなことを考えて歩いてるとなんだか楽しくなった、死んだらニセ天国へ行こう、誰も知り合いがいなくて適度に不便なところ、関係ないけど子供の頃母親の本棚にあった丹波哲郎の本の表紙が怖くて死んだらこんな感じでポツンと一人岩の上で過ごすんだって思ってた、ニセ天国はそのイメージを払拭してくれる、死後についてはそれくらいでいようと思う、どうせ誰も知らないのだから

結局散々歩いて近所のかまどやで弁当を買った、いつもメニュー見て悩むふりするけど大関弁当しか頼んだことがない、今日も大関さん、注文したらお店の人が大関さんとオーダーを通す、大関さんはだいたい5分くらい揚げ物の時間がかかると言われる、店内で待つあいだ本棚があるので物色する、3ヶ月に1回くらいのペースでしか行かないけどちょこちょこ置いてる本が入れ替わる、そして不思議なラインナップだったりする、ゴルゴ13が置いてるので手に取ることが多いけど弁当が出来上がるまでに読み切れることはまず無い、承知で読む、前に花言葉をまとめた写真付きの本が置いてあってああいうのはいいなと思った、今日はミナミの帝王とゴルゴの間にトニモリソンのソロモンの歌が置いてあった、それも単行本で、弁当できるまで待つ間に誰が手に取るんだろう、不思議なチョイスだ

アリエでのライブから1ヶ月経った、アンケート書いてもらったの何かの形で出したいと思いながら手をつけてない、できれば早々に、たぶん、はい