『んんん』の歌詞

んんん

んんん、いつもと同じよ 声が少しうわずっただけ
んんん、それはあたしよ それはあたしなのよ

痛くてたまらなくなるわ 声をあげてしまいそうよ
無理よ もう ここで降りるわ
これで、お終いなのよ

被弾したみたいに胸からあふれ出す
夢を見ることも、呼吸も、終るわ

歌うことも 祈ることも ああ

んんん、いつもと同じよ ただ前が見えなくなったの
んんん、これがあたしよ それがあたしなのよ



Phantom Light

触れられたいダーリン 触れられないベイビー
傷だらけメルトダウン

皺だらけレディー そばかすの目に 映るのは暗いくらいタウン

不甲斐ない男にほだされて夢を見るわ
感じないことにしてるの 私、声上げてしまいそう

見つけたらダーリン 見てられないくらいに
終日と笑ってた

開いてく指 小銭を落とした
それを拾う背中

耐えれないように頼りのない言葉をつぶやいた
はにかんだ顔焼きついたまま ここに留まるわ

もういないダーリン 最後の日に うつむいて歩いてた
淡い光 言葉にできない いつまでも見ていた

あたしの日々は続くの あんたと違うの
生きていくの ねえダーリン あんたと違うの



尼崎の女

雨に触れる 袖を濡らす 手に書いた字に目を落として読み上げる

空を睨むようになって 幾月過ぎたんかと、ふと考える 

ひとつ目は15年前 見捨てたんは淀川のそば

ふたつ目には甲斐性なし 甘い言葉をすぐ言う男

風に揺れる髪を撫でてくれた手に 潮の匂いが混じる

鼻歌をよくうたう人で 難しい言葉ばかりを使いたがる人

変な子あたしを見ていて 見つめ返すと ふと眼をそらす

なんよ あたしに惚れたん 少しはからかい甲斐があるかしら

秘密の言葉を この子に聞かれてたから 

あたしを見つめる あたしを見つける

ビッコの町が火照りだす あたしは尼崎の女

手に触れたもんは 全部焼き落ちる

言葉は捨てる 文字通りに捨てる

夢は見ん 漆黒を貪る

怠惰な朝を受け入れる めくらの声を聞き捨てる

あの子 目ぇ輝かし えらい昔のことを知りたがる

ちょっと冷たくあたると けったいなことを言う

こんなあたしを 太陽と呼ぶ 黒く冷たい月のような

何もないあたしを

あの子があたしを 太陽と呼ぶ 黒く欠けた月のような

こんなあたしを


Blue Blue Blue Blue

正しく見える でもちょっとおかしく見てる
そんなの嘘 あたしは声にして言う Oh Blue〜

損なってちょっと経つ 君がいつもくれる

それは全部 こんな言葉になる Oh Blue〜

今にもそこから落ちてしまいそうに なりながら手を振って
見つけたものを大事そうに 抱えて微笑む

晴れるなら晴れるほうがいいわ 雨降るならそれでもいいわ
嘘つくなら騙すほうがいいわ 
たぶん君もあたしもそう

あの娘はメロディ 悲しい歌を歌う
こんなもんさ そう言ってまた歌う Oh Blue〜

光の加減で夢のようにだって、見えてただけかしら
見つけては捨てる そんな日々を 憐れんでほほ笑む


寒い国の女王みたいな君が目 伏せたらお別れの言葉を
上見てた君は泣いていて
下向いたら僕が泣いた

Oh Blue Blue Blue Blue〜



Aurora

不気味なほど静か 寒くなって 夜が来る
電波障害が起きて 家から飛び出る人々

驚くほど分かりやすく 空には大きなオーロラ
君があれに触れてみたいと そう言って
走り出すから

Run Run Run to the Aurora
Climbing Climbing Climbing Up to the Aurora

町は騒々しくなって 終末論が囁かれた、
誰かが世界は終わるのよと、いいえ、残念、終わりません
君が望むくらいじゃ、残念、世界は終わりません
あのビルに上ればふれられるかな そう言って 走り出すから

Run Run Run to the Aurora
Climbing Climbing Climbing Up to the Aurora




天地が反転する夜

甘い声を出して いつもひどい言葉をかけて
嘘ばかりを思い付いて 夢の中で舌を出した

一晩中消えない 頭の中に住みはじめてさ 
傷を付けて 深くつけて 逃げる声に 笑顔がこぼれた

晴れると走る君は 手を振りながら 僕の知らない目をした
放り出した夢の跡も いつの間にか君を見てた

掌で浮かれて そこから見ると景色は変わって
歌を唱う お上りうたう
まるで夜がどこかで忘れた
 
降り出した雨の中で 君が目を閉じたのが 少し見えた
追いかけて走る夜も 立ち止まってさ 君の横顔を見た

晴れると歌う僕は 届かないけど そこへ向かって走り出す
雨降り笑う君へ 急げ! 天地が反転する夜を

甘い声を出して いつもひどい言葉をかけて
嘘ばかりを思い付いて 夢の中で舌を出した




ファティマ

退屈しのぎからも 君は落ちこぼれていて
毎日の朝からも 君は見捨てられていた

笑い上戸の夢を見て 少しましになるかな?
灰色の空を指で 撃ち落とす真似をする

悲しくはない 悲しくはない だから上を目指してみた
歌う声は 天使だった だから願え 僕のファティマ


退屈しのぎさえも君はうまく出来なくて
迎え撃つ夜にだって 相手にされないんだった

悲しくはない 悲しくはない
だから上を目指していた 響く音は 天使みたい
だから願え 僕のファティマ



ハルカ

ハルカはうまく笑うことができない
笑顔を作るのがとてもヘタクソ
天気は日頃の行いと関係してると信じている
最近、そうでもないと薄々感づいてきている
目に見えるものには喜びを感じる
そんな時代の終焉を迎えようとしている

ピンクが嫌い 髪を切ったばかりの馴染むまでの数日間が嫌い
声の大きな人が嫌い あんたに媚びるアイツが嫌い

ハルカの彼方 なあ そこへ行こ

光をうける そうすると身体の不自由さを少しの間だけは忘れていられる
手を大きく広げて なんに見えますか?
口を大きく開けて なんに見えますか?
目を大きく見開いて ねえ 一体なんに見えますか?

歌をうたう かすれた声の 音程の外れたその歌は 
こぼれおちて 損ない続ける あの娘そのものに感じる

ハルカの彼方 明るい話をしよう

音楽が好き ぽってり太った曇り空が好き 晴れも好き
雨は普通 雨の日の音は好き
あんたが好き

鏡の前で笑顔の練習をする あまりの出来の悪さに
思わず 本当に 笑ってしまう



海へ

目の前 通り過ぎる トラックの数 数える
つらい仕事 夜する 変わるたび また覚える

ウッフー ふらっふら 右へ左へ リンリン クラクラクラって
バイバイ ブルーブルー あのこのとこへ いぇいぇい ランランラン

仰向け うつ伏せ 苦いのを呑む 服乱れて
A or B うゎ うゎ 海が見たい あたし 騒ぐ

ヒッヒー ふらふら 前で後ろで ぶんぶん くたくたくたって
バイバイ ダーリン あのこと二人 いぇいぇい ランランラン

ウッフー ふらふら 右へ左へ リンリン クラクラクラって
バイバイ ダーリン あの子のもとへ いぇいぇい ランランラン

逃げ回る 行きつく 海の前 祝福を 
あれ何? ひらひら
怖くない 言祝く 




ハトフル

円形描いて お話しをよんで 目を合わせて驚く

ハトフル

日だまりを手に映した そこで露わした 

ハトフル ハートフル

健やかに 君が 眠る 

ハトフル ハートフル

果てるわ 涯などないわ 
あの子は上を見てる 左手を 右手をのばす
気のせいかな? 滲んで見える
言葉もひとつぶん 遅れてきた

そばにいる あたしを見る 日差しがいつもよりも
強いせい かなって思う
上ばかり見ててあの子 こんなことを言う

歓喜 ほらっ!

わっ わっ わっ

嬉しいわ 嬉しいわ 晴れるし 離れるし 
あの子言うわ また会えるし 叶うなら
ほらっ ほらっ 手にとって触れれる 



朝謡

朝謡は朝めざした 夜からこぼれおちた
秘密の言葉で歌ったら 君に恋をした

触れられない朝謡はいつも歌をうたう
何を語れば響くのか とても迷いながら

あの娘 通る度 祝福しよう
歌えば声は光になるように

「あたし恋をしたみたい 姿は見えないけれど
 いつも歌が聞こえるの そばで見守ってくれてるみたい」

一晩中働いたら 朝に少し眠る
文字の読めないあの娘の夢 訊かれて照れて笑う

あの娘 通る度 祝福しよう
歌えば声は光になるように

明るい未来の人 祝福しよう
歌えば君の光になるように

あの娘 通る度 祝福しよう
歌えば声は光になるように

朝謡は朝めざした 夜から転げ落ちた
秘密の言葉で歌ったら
君が目を覚ました