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ウィリアム・トレヴァーアイルランドストーリーズて短編集を読んでいるのだけれど
その中の『音楽』って短編が恐ろしく、最後の一行を読み終わった直後、耳の中で『バギバギゴギゴギ』主人公の心が壊れた音が聴こえるようで震えあがった


短編集を続けざま読んでいると、自分の生が1つ2つの辛い恋物語として短編にでもなれれば、それでいいような気になってくる


『これは恋物語だ』という時、どういうものを想像するだろう
人によってドキドキするようなこれから起こる未知の体験を想像したり
怒りと屈辱に満ちた後悔としての記憶だったり
遠い過去の寄る辺の出来事だったりするのかも
死が別つ物語だったり戦争の話だったり暴力の中にあったり退屈だったり優しさだったりデカダンだったりするんだろう


恋物語』っていう言葉にあらゆるものごとが出たり入ったりする
諦念と観念の物語と優しさと暴力の物語と


今作っている音楽を言葉に例えるならこう説明するしかないかもしれない

これは恋物語だ、と