8/24

東京から帰りの新幹線のなか、疲労からか意識が混濁したようにぼんやり、
窓からの景色は三島から静岡の間のどっかだったと思う
夕方の17時半くらい、だだっ広い平原の上空に黒い何かが落ちていく
500メートルほど離れた空中に、それは人のようにも見える
突然の轟音が耳をつんざき、全身が空気を切り裂く
目に映るのは青と灰と朱が混じりあった抽象のパノラマで、
背中から全身をひきちぎろうとする突風のせいでぐらぐら形を変える
風以外に体に触れるものがなにも無い
恐ろしい力で引きずり込まれるようでいて永久にこの場に放り出されたようだ
落下していく
窓の外に見える空に浮いて落ちていくそれは列車のスピードに煽られ
結末を見ることなく窓の端に追いやられそのまま車窓から消える
姿勢を変える気力もなくそのまましばらくまたぼんやりと窓の外を見てたけど
気づかないうちにうとうとして、次の何かのアナウンスで起こされてしまう